口腔内悪性黒色腫~メラノーマとの付き合い方の1つ~

悪性黒色腫(メラノーマ)

犬の口の中にできる悪性腫瘍で比較的多くみられる腫瘍で、非常に強い浸潤性(その場や周囲にむかって大きくなる力)や強い転移性(肺などの遠くの場所にガンが飛んでいく力)を持つ悪いタイプの腫瘍です。見た目が黒いものが多いですが、ピンク色を呈す場合もあります。

 

治療

治療は第一選択として外科切除ですが、切除困難な場合も多く放射線治療が適応になることも多いです。

抗がん剤の有効性については大きな成果があげられていませんが、近年では特殊な免疫療法が用いられることもあります(全国でも実施できる施設が限られてしまいます)

そんな中で、今回はメラノーマに対する緩和的ケアを実施し、良い生活が得られている症例を紹介いたします。

 

症例(注意!下に実際の写真があり、多少の血などが写ります

ダックスフンドの子で、口~喉にかけて大きく広がる腫瘍によってものを飲み込んだり呼吸をするのにも影響が出ていました。

外科の適応は困難な場所であり、相談の上放射線などは実施せずに緩和的にできることを相談させていただきました。

緩和ケアとして提案したのが、現在口の奥を塞ぐように占拠している腫瘤をレーザーで焼却・減量し、その後に抗がん剤の使用を実施するというものでした。

 

 

 

 

 

写真はレーザー前のものです。口をあけている写真で、写真の上が、上アゴです。口の中に腫瘍が広がっています。

 

 

写真はレーザー後のものです。食べ物や空気の通り道は確保できましたが、ベッタリと奥まで腫瘍が残存しています。

 

麻酔をかけるのも大変でしたが、無事に処置を終えることができました。

 

 

 

写真は抗がん剤後2か月のものです。上アゴの黒い部分まであった腫瘍はほとんど見えなくなりました。奥の一部に腫瘍は見えますが食べることに影響ないレベルで維持ができています。本人も元気に過ごしてくれています。

 

 

まとめ

今回はメラノーマに対する緩和ケアの一つを紹介させていただきました。

あくまでも緩和ケアなので、残された余命をどこまで伸ばせれるかはわかりません。学術的にすごく推奨される処置ではないかもしれませんが、ごはんも食べられない辛い思いから少しでも解放され、 飼い主様と良い時間が過ごせているのは大切だなと実感した症例でした。

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