猫の甲状腺機能亢進症 治ることもあるって知ってました？
猫の甲状腺機能亢進症ってどんな病気？
甲状腺は、喉のあたりにある小さな臓器で、体の新陳代謝を活発にする「甲状腺ホルモン」を分泌しています。甲状腺機能亢進症は、この甲状腺ホルモンが何らかの原因で過剰に分泌されてしまう病気です。甲状腺ホルモンが過剰になると、体は常に全力疾走しているような状態になり、様々な臓器に負担がかかってしまいます。猫ちゃんの場合はシニアになるとこの甲状腺が大きくなってしまい、削痩・高血圧・興奮・過剰食欲など様々な症状が出てきます。
主な原因
猫の甲状腺機能亢進症の多くは、甲状腺にできた良性の腫瘍（甲状腺腫）や、甲状腺の組織が過剰に増殖する「過形成」が原因です。いわゆる「がん」である甲状腺癌は非常に稀です（わんちゃんの場合は癌が多いのですが）。シニアの猫ちゃんは健康診断で偶発的に見つかることが多いです。
家で見つけやすい症状・サイン
・食欲旺盛なのに体重が減る
・多飲多尿: 水を飲む量とおしっこの量が増えます。
・落ち着きがなく、活動的になる: 常にそわそわしていたり、夜中に鳴き続けたり、攻撃的な性格に変わったりすることがあります。
・毛ヅヤが悪くなる: 毛がパサパサになったり、抜け毛が増えたりします。
・嘔吐や下痢
・心拍数の増加: 心臓に負担がかかり、心拍数が速くなります。進行すると心筋症などの合併症を引き起こすこともあります。
甲状腺機能亢進症の治療
〇内科的治療（お薬）
甲状腺ホルモンの合成を抑える「抗甲状腺薬」を投与する方法で、最も一般的な治療法です。多くの場合、生涯にわたる投薬が必要になります。定期的な血液検査でホルモン値をモニターしながら、薬の量を調整していきます。
〇外科的治療（手術）
腫大した甲状腺を外科的に摘出する方法です。手術が成功すれば根治が期待でき、日々の投薬から解放されるという大きなメリットがあります。
甲状腺は左右に２つありますが、片方のみの切除で対応できる場合は薬がなくなり、治ったという状態にもっていくことができるのが外科手術です。
まとめ
・甲状腺機能は高齢の猫ちゃんに比較的多くみられる病気です
・家でのサインを見逃さないように注意
・治療は飲み薬などの内科治療と外科手術がありますが、外科手術では治すことも可能なケースがある
