FIPも治せる時代になりました(=^・・^=)
FIP、かつては「不治の病」と言われたもの(T_T)
FIP(猫伝染性腹膜炎)は、かつては診断も治療も難しいものでした。
ウエットタイプと呼ばれる、腹水がたまるような症例であればその腹水を採取して遺伝子診断すれば比較的容易に診断可能だが、ドライタイプと呼ばれる、腹水などのたまらないものであると診断自体がなかなかつかないことも多くありました
また診断がついたとしても、特効薬と言えるものがなく、まず、治る可能性は非常に低いと思ってください、治らないと思ってください、というお話を最初にしなければいけないことも多々でした
医療は日進月歩( ゚д゚)
そんなFIPが、医療の進歩により「治る可能性の高い病気」になってきました!
●早期診断:腹水など溜まるより早く、血液検査による炎症の数値や、腹部エコー検査の機器・技術の向上から、FIPを疑い、積極定な細胞診検査を実施して早期に診断することが可能になってきました
●抗ウイルス薬の普及:FIPは強い炎症が病態の大きな部分を占めますが、その根本はウイルス性の疾患です その根本治療である抗ウイルス薬の普及によって、症状の緩和、ではなく、本当に「治す」ということが可能になってきました
もちろん、病気を発見した時の状態などによって、治療効果は異なり、必ずしも100%治ります、とは言えないのは他の病気と同じですが、それでも当院でも完解・完治と言える状態までたどり着いた症例さんもいらっしゃいます。
FIPの1症例
現在FIP闘病中の猫さんの症例ですが、他院で腸の腫瘍の疑いがある、との指摘をうけ、当院を受診されました
エコー検査で、確かに腹腔内に大きなしこりがあり、検査でFIPであると確定し、抗ウイルス薬による治療を開始しました
お薬の投与によって、本人の元気食欲はでてきたのですが、途中から胸腔に水のたまる「胸水」が併発しました
ところがこの胸水、FIPに特徴的な高タンパクの液ではなく、薄い液体でした FIPには合致しません しかも心臓の動きが悪くなり、筋肉のダメージで上昇するCPKという項目が血液検査で非常に高い数値を示していました
(胸水貯留時のレントゲン)

これらのデータから、ウイルスによる心筋炎を併発し、胸水はFIPそのものではなく、FIPに付随した急性の心筋炎・心不全によるものと考え、抗ウイルス薬、抗炎症剤、たまった胸水に対しては胸水の抜去を実施し、なんとか心臓の動きがもとに戻り、CPKも正常化し、胸水もまったくたまらなくなるところまでこぎつけました!
まだ抗ウイルス薬の投与はしばらく続きますし、完治した、といえる状況ではないのですが、このまま寛解・完治できるようにオーナーさまと一緒に頑張っていければ、と思います(^^)
治療は二人三脚
診断、治療に関しては医療の進歩に目を見張るばかりですが、実際に毎日の投薬はオーナーさまにかかっております
今回の症例さん、経口投与は苦手、とおっしゃっていたオーナーさまが本当に頑張ってお薬を毎日きちんと飲ませてくださってるので、治療効果がちゃんとでているのだなぁ、とつくづく感じています
大変なお薬投与を毎日頑張ってくださるオーナー様に対する感謝も忘れてはいけないな、と思う今日この頃でした。
