その「吐きそう」は、咳かもしれません。
「吐きそうで吐かない」は吐き気ではないのかもしれない?
日常の診療の中で「吐きたそうなんだけど吐かない」という主訴を伺うことがあります
この「吐きそうで吐かない」は本当に吐き気があるのに吐けない場合(食道に何かが詰まってしまう食道梗塞など)と、吐き気ではないけど吐くような動作に見える「咳」の場合があります
わんちゃん猫さんの咳は人間の典型例な咳と違い、「えづいてる」ように見えることがよくあります なので、吐き気があるのかな?と思えてしまうのですね 実際に「えづく」という主訴で受診いただいて、症状としては実は咳でした、という症例はよくあります
特に猫さんの場合は、持病で猫の上気道感染症を持っている時は、普段から鼻水やくしゃみを持っているので、咳に気が付きにくい、咳に気がついてもいつもの咳だな、ということで見過ごしてしまうことがあるかもしれません
高齢になって咳を生じた猫の一症例


14歳 雌 避妊済みのマンチカンさんです(最初の画像の子です)実は当院スタッフの家族にゃんだったりします
1ヶ月ほど前から咳が見られ、元気食欲はあるものの、数日で自然消退せず持続するため検査を行いました 血液検査では大きな問題はなかったものの、肺には明らかに気管支パターンと言われる異常な像が見られました
呼吸器の診断はなかなかむつかしい
この症例、では血液検査とレントゲンで確定診断ができたか、というとそうではありません
きちんと精査、確定診断をつけるのであれば、ここから更に全身麻酔下でCTを撮る、必要があればBALと言われる気管支洗浄を行い、異常な細胞や菌がいないかなどを調べていって、初めて「確定診断」といえます
がしかし、当院にはまだCTが導入できておらず(導入計画はあるのですよー!)またこの猫さんの飼い主であるスタッフも、麻酔下検査を希望しなかったので、腫瘍の可能性なども否定できないことを踏まえつつ、気管支炎を想定して内服の投薬を開始しました
それから一ヶ月ほどが経過し、肺野確認のレントゲンを撮影しましたが、肺病変は多少改善はしたものの、残念ながらすっきりきれいにはならず しかし症状である咳はかなり治まっているので、内科療法を続けながらレントゲンで経過を追っていく予定です
前述のように当院にはまだCTはございませんが、呼吸器の精査をご希望の患者さまには、CTなどを擁する適切な二次診療施設へのご紹介をさせていただいております 二次診療をご検討の際は、またご相談くださいませ
