元気でも油断禁物!?犬の「胆嚢粘液嚢腫」とは
「最近なんとなく食欲が落ちた気がする」
「年齢のせいかな?」
そんな症状の裏に、実は命に関わる病気が隠れていることがあります。
今回は犬でみられる胆嚢粘液嚢腫(たんのうねんえきのうしゅ)についてご紹介します。
胆嚢ってどんな臓器?
胆嚢は肝臓の近くにある小さな袋状の臓器です。
肝臓で作られた胆汁を一時的に貯めておき、食事をした際に腸へ送り出す働きをしています。
胆汁は脂肪の消化を助ける重要な役割を担っています。
胆嚢粘液嚢腫とは?
胆嚢の中にある胆汁が正常な液体ではなく、ゼリー状・粘液状に変化してしまう病気です。
胆汁がドロドロになることで胆嚢の中に溜まり続け、うまく排出できなくなります。
進行すると胆嚢が大きく膨らみ、最悪の場合は胆嚢が破裂してしまうこともあります。
胆嚢が破裂すると胆汁がお腹の中に漏れ出し、重度の腹膜炎を起こして命に関わる状態になるため注意が必要です。
どんな犬に多いの?
中高齢の犬で多くみられます。
特に
* シェットランド・シープドッグ
* コッカー・スパニエル
* ミニチュア・シュナウザー
などで発症しやすいとされています。
また、
* クッシング症候群
* 甲状腺機能低下症
* 高脂血症
などの内分泌疾患を併発していることもあります。
症状は?
初期には症状がほとんどないことも少なくありません。
そのため健康診断の腹部超音波検査で偶然発見されるケースもあります。
症状が出る場合は、
* 食欲低下
* 嘔吐
* 元気消失
* 下痢
* 腹痛
* 黄疸(皮膚や白目が黄色く見える)
などがみられます。
進行すると急激に体調が悪化することがあります。
どうやって診断するの?
診断には腹部超音波(エコー)検査が非常に重要です。
胆嚢粘液嚢腫では、胆嚢の中に特徴的な模様がみられます。
その見た目から「キウイフルーツ様パターン」と呼ばれることもあります。
血液検査では肝酵素の上昇がみられることがありますが、血液検査だけでは確定診断できません。

↑胆嚢粘液嚢腫のエコー画像
治療方法は?
病気の進行度によって治療法が異なります。
内科治療
症状がなく、胆嚢破裂のリスクが低い場合には
* 利胆剤
* 肝保護剤
* 食事療法
などで経過をみることがあります。
外科治療
胆嚢破裂の危険性が高い場合や、症状が出ている場合には胆嚢摘出手術が検討されます。
手術によって胆嚢を取り除くことで、破裂のリスクを回避することができます。
早期発見が大切です
胆嚢粘液嚢腫は初期には症状が乏しく、飼い主様が気付きにくい病気です。
しかし進行すると命に関わることもあります。
特に中高齢の犬では、定期的な健康診断や腹部超音波検査によるチェックがおすすめです。
「なんとなく元気がない」「最近食欲にムラがある」
「元気だけど高齢だし、いろいろ気になる」
どんな小さな変化でも、お気軽にご相談ください。
