猫の歯に多い病気は?

猫の口腔トラブルは、実は非常に多くの猫が抱えている身近な健康問題です。
「口臭が気になる」「食べる量が減った」「口元を気にしている」

こうした様子が見られるとき、猫は何らかの歯の病気を抱えている可能性が高いと言えます。ところが猫は、痛みを隠す動物です。症状があっても表に出さないため、飼い主が気づいたときには、すでに進行していることが少なくありません。

 

 

猫に多い代表的な歯科疾患一覧

疾患名 特徴・概要
歯周病 歯垢・歯石から細菌感染が進み、歯肉や歯槽骨が溶ける。
破歯細胞吸収病巣 猫特有の病気。歯の一部が溶けていく。
口内炎 歯肉粘膜に強い炎症が起きる。
破折・咬耗 歯髄が露出すると、感染や痛みを起こす。

 

 

歯周病  見えない進行に要注意

歯石が炎症を起こし、歯肉の赤みや出血、歯のグラつき、やがては脱落に至るまで悪化することもあります。

【主な症状】

  • 口臭がする
  • よだれが多い
  • 歯ぐきが赤い、腫れている
  • 物を噛まない
  • 食欲があるのに食べられない

【放置リスク】

歯周病は、歯を支える骨を溶かし、顎の骨折や鼻腔への炎症波及、全身への感染を招くこともあります。

猫は症状を隠しやすいため、日常的な行動変化の観察が大切です。「なんだか食べ方が変わった」「口元を気にする仕草が増えた」など、ささいな変化を見逃さないようにしましょう。

 

破歯細胞吸収病巣  猫特有の疾患

この病気は、猫に特有の歯の病気で、犬や人間では見られません。歯が少しずつ溶け、やがて歯が崩壊していく病気です。

【特徴】

  • 全体の猫の約50〜70%が罹患しているとも
  • 原因は未解明
  • 強い痛みを伴うにも関わらず、外からは見えにくい

【症状の例】

  • 食べ方にムラがある
  • 急に怒る、触られるのを嫌がる
  • よだれが増える

【治療】

破歯細胞吸収病巣が見つかった歯は、抜歯が必要です。

 

口内炎

免疫異常やウイルス感染が関係して、歯肉や口腔粘膜が広範囲にわたって炎症を起こす状態です。非常に痛みが強く、食事や日常生活に大きな支障をきたします。

【症状】

  • 痛がる
  • 歯ぐきが真っ赤
  • 口臭がひどい
  • 食欲不振、体重減少
  • 顔の周囲を触られるのを極端に嫌がる

【治療】

  • 抗炎症剤や免疫抑制剤でのコントロール
  • 抗生剤でのコントロール
  • 全ての歯を抜歯

 

歯の破折・咬耗

猫も高齢で歯がもろくなっていると、歯が折れたり、すり減ることがあります。神経が露出すると強い痛みを感じ、感染を引き起こすこともあります。

【見られる症状】

  • 口の片側でしか噛まない
  • 食べ物をこぼす
  • 歯の変色
  • 顔を触られるのを嫌がる

【治療】

  • 抜歯

 

歯石・歯垢の蓄積

歯石は歯の表面のプラークが石灰化したものです。
わずか数日で形成が始まり、軽くこすっただけでは除去できなくなります。

【リスク】

  • 歯ぐきの炎症が始まり、歯周病へ進行
  • 全身疾患につながるリスク

【対応】

  • 歯石がある場合は、麻酔下での歯石除去が必要です
  • 歯石除去後も定期的なケアで再付着を防ぐことが重要です

 

自宅で気づくチェックポイント

「猫の歯の病気は気づきにくい」とされますが、以下のようなサインが見られた場合は、すぐに受診を検討しましょう。

  • 食べ方がいつもと違う
  • 急に口臭がきつくなった
  • 顔や口元を触られるのを嫌がる
  • 食欲があるのに食べない
  • よだれが増えた
  • 歯や歯ぐきの色に変化がある
  • くしゃみや鼻水が出ている

 

予防の重要性と動物病院でできること

歯の病気の多くは、予防と早期発見によって進行を防ぐことができます。

【動物病院で行えること】

  • 歯石の確認
  • 麻酔下での歯石除去、ポリッシング、抜歯など
  • 飼い主様へのホームケア指導

 

まとめ  猫の歯は放っておいてはいけない

猫の歯や口腔内の病気は、見えにくく、気づきにくいことが特徴です。しかし、そのまま放置してしまうと、強い痛みや摂食障害、全身疾患につながることもあります。

「ちょっとおかしいかも?」と感じたその時が、病院にご相談いただくベストタイミングです。

何か気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

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