慢性腎臓病(腎不全)とは?症状・治療・早期発見のポイント
シニアのわんちゃん ねこちゃんで増える慢性腎臓病(腎不全)について
慢性腎臓病(CKD)は、高齢のわんちゃんやねこちゃんでよくみられる病気です。
最近は「慢性腎臓病」と説明されることが増えていますが、以前は「腎不全」と伝えられることも多く、今でもその呼び方のほうがなじみのある方もいらっしゃるかもしれません。
腎臓には、老廃物を尿として体の外に出す働きや、水分・ミネラルのバランスを整える働きがあります。
この働きが少しずつ低下してくることで、体にさまざまな変化が出てきます。
慢性腎臓病は、初期には症状が目立たないことも多く、見た目には元気そうでも検査で異常が見つかることがあります。
こんな変化はありませんか?
慢性腎臓病では、次のような変化がみられることがあります。
* 水を飲む量が増える
* 尿の量が増える
* 食欲が落ちる
* 体重が減る
* 吐くことがある
* 元気がなくなる
こうした変化は、年齢によるものと思われやすいですが、腎臓の不調が関係していることもあります。
早期発見が大切です
慢性腎臓病では、一度低下した腎機能を完全にもとに戻すことは難しいとされています。
そのため、できるだけ早い段階で気づき、その子の状態に合わせて管理していくことが大切です。
シニア期には、血液検査だけでなく、腹部エコー検査や尿検査や血圧測定も含めた定期的なチェックをおすすめしています。
治療について
慢性腎臓病の治療は、低下した腎臓の機能を元に戻すというより、今ある機能をできるだけ保ちながら、体調を安定させていくことが目的になります。
そのため、ひとつの治療だけではなく、食事やお薬、サプリメント、点滴などを組み合わせて管理していきます。
- 療法食
治療の基本になるのが食事管理です。
腎臓に配慮した療法食を使うことで、体への負担を減らします。 - リン吸着剤
腎臓の働きが低下すると、血液中のリンが高くなることがあります。
リン吸着剤は、食事中のリンが体に吸収されにくくなるよう助けるお薬です。 - 点滴治療
脱水があるときや、食欲低下、体調不良がみられるときに行うことがあります。
体調や病期に応じて、必要な方法と頻度を相談しながら選んでいきます。 - 吐き気や食欲低下に対する治療
慢性腎臓病では、吐き気や食欲低下がみられることがあります。
少しでも楽に過ごせるように、症状に合わせてお薬を使います。 - 貧血に対する治療
慢性腎臓病が進行すると、貧血がみられることがあります。
その場合には、ダルベポエチンやエポベットなどを使って治療を行うことがあります。 - 血圧や尿たんぱくに対する治療
腎臓病では、高血圧や尿たんぱくが問題になることがあります。
必要に応じて、そうした変化を抑えるお薬を使いながら管理していきます。 - ラプロス内服
猫ちゃんで使われるお薬です。
慢性腎臓病の進行をできるだけゆるやかにすることを目的に使用します。 - サプリメント
補助的に使う治療です。
療法食やほかの治療とあわせて取り入れることがあります。
その子に合った治療を続けていくことが大切です
慢性腎臓病の治療は、病期や症状によって内容が異なります。
同じ腎臓病でも、必要になる治療はその子によって違います。
食事管理を中心に進める子もいれば、内服薬やサプリメントを組み合わせる子、点滴や貧血治療が必要になる子もいます。
その時々の体調や検査結果をみながら、無理のない形で続けていくことが大切です。
「最近よく水を飲むようになった」
「少し痩せてきた気がする」
「シニアになったので腎臓が心配」
そんな小さな変化が、早期発見につながることもあります。
気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
